「人間の時間」と「動物の時間」ではない理由は○○○だった!!
この世の中で、様々な生物が存在しています。私たち人間、動物、植物、微生物、この生き物たちも皆、生死を繰り返して今現在に至るわけです。その中で、「私たち人間が軸として時間が回ってるんじゃない?」と考えたこともあります。
しかし、この発想そのものが完全なる「誤解」だったのです。この本書「ゾウの時間、ネズミの時間」を読んでみて、私の考えは別物で違ったものだとわかったのです
では、どのように動物たち一つ一つに時間があるといったのでしょうか。それは先に行っとくとサイズです。それはなぜか、この本を熟読してまとめてみました。それではどうぞ。
はじめに
著作者、本川達雄さんは、日本の生物学者であり生物を研究されておられます。この「ゾウの時間 ネズミの時間」の「サイズによって時間が変わる」こと、を知られたときは驚いたそうです。
また、シンガーソングライターでもある一面も持っておられ「生物学の知識を歌にして覚える」という学習方法を提唱されておられます。作った歌たちをまとめられた「歌う生物学 必修編」を出されておられるので、生物を勉強する上では、ものすごく役に立つ思います。
ぜひ聞いてみてください。
動物のサイズと時間の関係性
サイズによって時間は変わる。
様々のサイズの動物たち(ゾウ、ウマ、ネズミ、イヌ)などの哺乳類たちは時間とサイズとで、このような関係があったのです。
時間∝(体重)4分の1 「∝は比例の記号」
※(体重)4分の1は、平方根を指します。
つまり、体重の4分の1と時間は比例しているということです。サイズ(体重)が大きい動物(哺乳類)たちほど、長く生きるということです。
例えば、
時間が16倍になると(体重)4分の1は2倍になる。
ネズミとゾウの寿命の長さを比べてもらうとすぐわかると思います。しかし、サイズの大きさで変わっってくるのが動きです。大きくなるにつれて、動きは緩くなる。小さいサイズの動物ほど動きが速いことがわかります。
サイズが小さいほど、息をする間隔、心拍のスピードが速いことになり感じる時間速くなり、それに比べてサイズが大きいほど、間隔が遅く、心拍のスピードも遅いため、ながれる時間は遅くなり長く生存するということです。
では、最初から大きい動物は、長生きをしているのか小さい動物たちはすぐ死んでしまうのか。
サイズと進化との関係性
初めから、ゾウなどの動物たちは大きかったわけじゃない。
コープの法則
進化における時間が進むにつれて大きくなっていく、という傾向は、「同じ系統の中では、大きなサイズの種は進化の過程で、より遅れて出現する傾向がある」
つまり、現在の動物(人間)たちは環境に対応するように古代から進化してきている。といこと
始まりは、すべて小さい動物からと本書は説いてあります。それは、小さい動物ほど時間が短く、個体数が多いため突然変異で生まれる確率が高いためです。そこから独自の成長を遂げ、大きくなっていくわけです。
島の規則
ウサギ、ネズミの小さい動物ほど、島では大きく。逆にゾウなどの、大きい動物は小形化していった。
島という環境は、捕食者が少ない環境である。
例えば、肉食動物の食料が50匹の草食動物だとしよう。島は狭く草食系動物たちの食料が10匹しか養え状態で、肉食動物たちの食料が不足してしまい生きていけない状況なってしまっているのが島なのです。
それにより、私たちが見る動物たちの逆にサイズになってしまっているのです。
サイズとエネルギー消費量との関係性
サイズとエネルギー消費量を関係は、大きい動物ほど体重の割にはエネルギーを使わない。
なにもしないで消費するエネルギーを標準代謝量といい、単位時間あたりにして、どれだけ消費したか代謝の速度を表しています。ゾウ~ネズミまでの様々のサイズからこのような、関係があります。
log Es= log4.1+0.751×logW
(Wを体重(kg)、Esを標準代謝量(ワット)とする)
対数の式を指数に書き改めると、
Es=4.1W0.751
(Esを標準代謝量(ワット)とする)
※0.751乗
つまり、
「標準代謝量は体重の4分の3乗に比例する。」
例えば、
体重が100倍になればエネルギー消費は32倍
となれば、体重とエネルギー消費は、体重の増加の18分の1しかない。ゾウとネズミとで体重の差はすごく大きいものですが、体重の倍数に比べてあまり大差がないのです。
まとめ
私は、この本を読んで伝えたいことは、サイズとの関係だと思っています。
サイズが大きくなるにつれて、環境に適応する力があります。また、消費エネルギーも体の割に少なく行動できるため長く生き延びる(時間が長い)。
それに比べ、小さい動物ほど環境に左右され適応するのに進化を遂げ続ける。(昆虫など、硬い甲羅などで乾燥、捕食者から守っている。)などの具体例が挙げられます。
動きが活発になるにつれ、エネルギー消費も大きくなる。かなり必然的なことです。これからの動物たちの「見る考え方」が変わってくると思います。
今回は、理科系読み物の大ベストセラー「ゾウと時間 ネズミの時間」を参考文庫にしてみました。興味がある人は読んでみてください。